フレスコでは元々、病院や宿泊施設の布団を丸洗いを行っていました。
「すし巻き」を発明してから、洗いの工程は随分苦にならなくなりました。
当時、東京で起こったホテルニュージャパンの火災から、防炎ふとんが普及しつつありました。
防炎商品は、防炎認定ラベルを縫い付ける事が義務付けられています。
その当時、施設からは1日平均200枚の汚れた布団が返却されてきました。
本来なら、毎日200枚の仕立て直しが必要です。
ですが、仕立て直す事は再度防炎の認定を受ける必要があり、これは物理的に不可能でした。
「丸洗いするしかない…。しかも、大量の布団を同時に乾燥しなければいけない…。」
初めは天日で竿に干していましたが、自然相手では毎日決まった量の布団を乾燥させることは難しく、機械化の必要に迫られていました。
「布団を洗うのはまだ簡単です。乾燥が一番大変なんです。」
と、当時の社長はよく言っていました。
せっかく中わたが片寄らない洗濯方法でも、いきなりタンブラーで乾燥させると中わたがバラバラになってしまいます。
※タンブラーとは?
布団を熱と共に回転させながら乾燥させる乾燥機の事
当時、乾燥機の多くが「室(むろ)」と呼ばれる部屋に、高温の乾燥空気を送り込み、水分の蒸発を促す仕組みで布団の乾燥を行っていました。
ですが、この方法は2~3時間と時間がかかるのと、重油と蒸気の量が相当なものでした。
「天候に左右されない乾燥方法」
「布団を傷めずに高速で乾燥させる方法」
「乾燥の品質にバラツキがない方法」
試行錯誤の結果、平成3年秋に、平面連続乾燥機が誕生しました。
平面連続乾燥機の特長は、ネット状のベルトコンベアに水洗いした布団を載せ、布団を動かさずに、素材ごとに設定を変えて高速乾燥をします。高速乾燥をしてから、タンブラーで圧力でおさえられた中わたに空気を送り、ふっくらとさせます。洗濯工程~タンブラーでの仕上げ段階を通じて、長年蓄積されたデータから、8種類のプログラム工程があります。
病院や宿泊施設の布団を大量に丸洗いする必要が最初からあったため、フレスコは、はじめから丸洗いを機械化する事を考えたのです。
(次回に続く)