自社開発の平面連続乾燥機は、布団を動かさずに乾かすので繊維を傷めません。
水を含んだ布団を動かすと、すぐに布団は傷んでしまいます。
濡れた髪の毛をゴシゴシこするとキューティクルがはがれて髪の毛が傷むのと同じ原理です。
フレスコの平面乾燥機は、ベルトコンベアーの上に布団を平面状態のまま置いて、移動させます。
中わたの素材に応じて、素材が傷まない乾燥方法を機械で設定して乾燥を行います。
「サクション方式」とは、ベルトコンベアーの上から下へ強制的に風を通すしくみです。布団の上から熱風を吹きかけるだけでは、熱風がはじき返され布団の中まで熱風が通りません。
布団の下から熱風を吸い込む事で、強制的に中わたの中を熱風が通ります。
通常では、羽毛布団で2時間程度、毛布は40分程度の乾燥時間がかかる場合が多いですが、フレスコの平面乾燥機は、敷き布団の場合、5~10分で80~90%の水分を乾燥させます。
平面乾燥機が誕生したきっかけをご紹介します。
フレスコでは、当初乾燥庫を使っていました。ですが、乾燥庫では乾燥に時間がかかり、量産できず納期に間に合いません。
ある日のことです。
「あんなもん、乾燥機と違います」
工場に来た乾燥機メーカーの社長がそれを見て言いました。
「乾燥機っていうのは、乾燥理論に基づいて作った機械の事を言うんです。これは、物を乾かす理論に合ってません。布団に直接風を当てないで、何で早く乾かす事ができるんですか」
「どんな条件でも、元々の水分量くらいまでは速く乾燥できますが、それ以降はスピードが遅れます」
フレスコの社長は
「難しいもんだな。で、造ってくれますか?」とたずねました。
「大丈夫です。小さな30センチ角の布団を作ってもらったら実験します」
「そんなので造って分かるんですか?」
「大概わかります」
こんな会話があり、開発はスタートしました。
乾燥機メーカーの社長から
「実験機を工場に持っていく事ができないので、来ていただけますか?」と連絡がありました。
ゴーッと音がして、モーターが回転を始めました。
小さな布団が吸い付いて、乾燥しました。
「乾いたよ」
「そりゃあ、乾燥機ですから」
布団を傷めず高速で乾燥する方法が誕生した瞬間です。
ここからさらに数え切れないくらいの試行錯誤がなされ、平面乾燥機は誕生しました。